干物 - のどぐろ一夜干し


のどぐろと聞いてもっとも馴染みがあるのが、のどぐろの一夜干し。地元浜田の海産物販売店やネットショップでも御馴染みの人気商品です。

10数年ほど前までは、のどぐろの一夜干しを作る業者さんはそれほど多くなかったのですが、ここ数年の「のどぐろブーム」の影響か、今ではどの干物加工業者さんでものどぐろ一夜干しは定番商品として扱っていらっしゃいます。

干物なんて、魚を開いて干しているだけなんだから、どこのメーカーのものでも同じと想われている方が多いのですが、実は加工業者さんによって味に違いがあるのです。

干物を作る一般的な手順としては

  • 魚を開いてきれいに洗う
  • 塩水に漬けて(塩をふりかける)塩味をつける
  • 乾燥

と、簡単で単純なものなのですが、加工業者さん毎の個性がでるのが、2番目の塩水に漬ける工程です。

濃い目の味付けが特徴の業者さんもありますし、薄塩を特徴とされている業者さんもありますが、単純に濃い・薄いという問題だけではないのです。

では何が違うのか?簡単に言うと同じ塩加減で仕上げるにしても薄めの塩水に長時間漬けてじっくり塩分を浸透させるか、濃い目の塩水にサッと漬けて、表面にしっかり塩味をつけて身の奥までは塩分を浸透させないかという違いです。

これはのどぐろに限った話ではなく、干物全てに言える話なのですが、加工の際に塩を使用するのは、単に塩味を付ける為だけでなく、塩によるたんぱく質凝固作用を利用して、魚の食感を良くする事も目的のひとつです。

魚の身というのは加熱すると熱凝固により脆く弾力がなってしまいますが、(焼き魚がそうですね)予め塩分を加えておく事で、筋繊維の結びつきが強くなり、熱を加えても弾力を失いにくくなります。この特性を利用した食品の代表格が「かまぼこ」です。魚のすり身に塩を加えて練り上げる事で、あの弾力が生まれるのです。

話を一夜干しに戻すと、塩分濃度を濃くするか、薄くするかは干物の表面をどの程度凝固させるか。つまりどの程度の弾力に仕上げるかに影響します。のどぐろのふんわりとした柔らかい食感を生かすには、あまり弾力を持たせないほうが良いのですが、弾力を持たせたほうが水分保持力(ジューシーな食感)は増します。このバランスをどこで取るべきか、なかなか難しい作業なのです。

これは好みの問題なのでどの程度の弾力に仕上げるのが一番良いと言えるものではありませんが、各業者さんそれぞれにポリシーを持って干物加工に取り組んでいらっしゃいます。

のどぐろの一夜干しを選ばれる際は、いろいろな業者さんの一夜干しを食べ比べてみて、お好みの干物屋さんを見つけるのも楽しいかもしれませんね。

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